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座談会「公務員としての自己実現・キャリアデザイン」 参加報告書

2010年02月19日 23:19

平成22年2月12日

Professional~自治体職員の流儀~
座談会「公務員としての自己実現・キャリアデザイン」
参加報告書

東広島市総務部契約課 篠原裕次郎

 先日参加した座談会について、下記の通り内容と感想を報告します。
 内容については、私の記録と記憶に頼るところがあり、必ずしもご本人の見解とは一致しない可能性があることをご承知おきください。

1 概要
開催日:平成22年2月9日(火)18:30~20:00
開催場所:広島市東区民文化センター 3階 大会議室
ゲスト:自治体職員有志の会
     山路栄一(財団法人三重県産業支援センター)
     中西大輔(滋賀県南部健康福祉事務所)
主催:茂田幸嗣(広島県西部厚生環境事務所)、門出剛(東広島市議会事務局)
趣旨:今回、開催する「Professional~自治体職員の流儀~」は、熱い想いを持って活動しているお二人をお招きし、その想いや仕事・活動内容を通じて、公務員としての自己実現・キャリアデザインを考える座談会です。(案内文抜粋)
自治体職員有志の会とは:公務を通じて社会の役に立ちたい、役所をよりよいものにしていきたいなど、公務に対して熱い想いを持つ地方公務員が集まり、議論や情報交換をするネットワーク組織です。今回のゲストの山路さんはこの会の発起人の一人で、中西さんは会のイベントのトータルコーディネーターをされています。7月には広島でシンポジウムを開催する予定です。(案内文抜粋)


2 山路栄一さんによる講演「目指せ“伝説の自治体職員”」(約30分)
・ 今日は、広島県の湯崎知事を訪ね、会の活動紹介と交流を依頼するためにきた。それから、会場として予定されているエソール広島の視察も行った。
・ 本日配布した資料は2時間の講演用なので、今回はその中から要点のみお話しする。まず自治体職員有志の会の設立の経緯を説明すると、、、2003年に、当時の改革派6県知事が出演した「シンポジウム三重」へ参加し、そこでいろいろな方とお会いした。そうした中で、せっかくよい交流をしているのに、人事異動などで交流が続いていかないのはとてももったいない、と感じた。そこで、自治体の枠を超え、業務を超えた高位平準化の場として、キャリアデザイングループのメーリングリストを発足し、オフ会、講演会、シンポジウムなどを開催したのがきっかけ。会員数は現在約700名。
・ みなさんに一番に申し上げたいのは「三遊間のゴロを捕りに行こう!」ということ。サード、ショート、レフトがそれぞれ人任せにしていたのではいつまでたっても捕球できない。それを捕りに行くというチャレンジが大事。そのときは捕れなくても次回の捕球の可能性が上がる。そして自分の打席へのモチベーションに繋がる。さらにそれが仲間のモチベーションに繋がる。つまり一人のプレイがチーム全体に良い影響を与える。
  仕事も一緒。組織の仕事は事務分掌で決まっているが、隙間の仕事がある。係の仕事ではないけど課の仕事、課の仕事ではないけど部の仕事など。そういう三遊間のゴロに飛びついてほしい。
・ こういうイベントに参加して話を聞くことも大事だが、聞いたことをどのように解釈するかによって、参加した意義も違ってくる。ある講演会に参加したJ社CEOのIさんは、講演内容に関する問題点の具体的な解決策について「どうすればいいかは分からない。とにかく強く思うしかない。」と講師が言ったとき、ほとんどの人が解決策がないことを嘆いた中で、Iさんのみ「強く思えばできるのか。」と前向きに捉えたという。どう捉えるかで、その講演の内容が変わってくる。
・ そして、講演会、シンポジウム、研修等に参加し学んだことを仕事に活かそう。前例踏襲では前回の90%の仕事しかできない。そうするとどんどん小さくなってしまう。いつも120%の力で「拡大再生産」する「志事」にしよう。成果は見えないかもしれないが、仕事の報酬は仕事。良い志事をすることで信頼が生まれ、次の大事な仕事を任されるようになる。
・ 「前例踏襲」、「横並び」、「お伺い」を私は「負の3点セット」と呼んでいる。「CHANGE」と「CHANCE」は似ているが、相違点である「G」から「C」を引くと「T」が残る。この「T」は「TABOO」であり、これが「負の3点セット」。つまり変化するための機会を得るには、この「負の3点セット」を取り除かなくてはいけない、ということ。
・ また「CHANGE」には4つの「n」が必要。「Mission(使命)」「Vision(方向性)」「Passion(熱意)」「Action(行動)」。自治体職員が必要とされるためには、自ら変わらなくてはならない。
・ 小才は縁に気づかず、中才は縁を活かさず、大才は袖擦りあう縁をも活かす。
・ 親子のロバ引きという話。人の話に従っていたら、いつのまにか自分たちがロバを担いでいた。もっと自分の意見「クリティカルシンキング」を持たなくてはいけない。
・ 私がミッションにしていること(1)
  始業前最低90分前から出勤し、全国紙、ブロック紙、地方紙、専門誌、インターネット情報等をチェック。昼休み等に議会図書室で、日経ビジネス、週刊東洋経済、THE21等のビジネス誌をチェック。帰宅後や休日に、ガバナンス、地方自治職員研修等自治体関係の雑誌をチェック。書籍の購読(単行本最低週3冊)。→「待ち時間」を「持ち時間」に。隙間時間の有効活用。
・ 私がミッションにしていること(2)
  講演会、シンポジウム、フォーラム当に参加。事前に講師等の著書等をチェック。一番に会場入り。最前列に座る。一番に質問。後日メール等で連絡し情報交換。→1対多数の一方通行の関係から、個対個の双方向の関係へ。さらに、意見に共感した首長や経営者等と紹介なして面談、交流。人的ネットワークの構築。
・ 私がミッションにしていること(3)
  情報の発信。週刊メルマガ配信(現在配信者数は700名を超える)。不定期「私の好きな言葉」シリーズ配信。→結合改善、高位平準化。
  講演録、記事感想等情報提供。→利他の精神、先義後利。人が成長するのは他者貢献から。
・ 私の好きな言葉「有言即行」。すぐに実行できなくても最低いつやるかを決める。反対の言葉は「NATO(no action talking only)」。
・ 主体的な情報発信による結合改善。「Give & Given(利他の精神)」で主体的な情報発信から行う。そして、情報提供を受けたらありがたくいただく。「たとえ知っていることでもお礼を言うことで次につながる(松下幸之助氏)」「琵琶湖に水が溜まるのは周囲より低いから(樋口廣太郎)」。
・ 何かを成そうとするとき、どうやったら成功するか。失敗とは「自分があきらめたとき」を言う。成功しなくても「やめないこと」はできる(福島正伸氏)。絶対に雨を降らすという祈祷師は雨が降るまで祈りをやめない。自ら心理的ブレーキをかけないこと。
・ 「あるレジ打ちの女性」という話。なにをやっても続かない女性がレジ打ちの仕事を通して成長する。「ある生徒の高校受験」という話。貧乏な母子家庭の母親が、息子の「塾に通いたい」をいう夢を数か月だけかなえる。息子は一生懸命勉強し、成績を上げ、私立の希望校を受験し合格。でもお金がないので通うことはできず、公立高校へ。3年後、東大合格を筆者が新聞で知る。(どちらも「涙の数だけ大きくなれる!」木下晴弘著)
  仕事をし、問題を解決すると、相手から感謝の言葉が返ってくる。自分が何かをするというのは、誰かがそれによって助けられているということになる。そういう仕事に携わる人がいるから、ものごとが回っている。人間というのは、誰かのために力を出す時に最も力を発揮できる(「涙の数だけ大きくなれる!」木下晴弘著)。「働く」とは「傍(はた)を楽」にすること。「世の中で一番楽しく立派なことは、一生涯を貫く仕事をもつことである」(福沢諭吉)。公務員は一日中住民の幸せを考えることのできる恵まれた仕事である。
・Labor…嫌々言われた業務をこなす
 Job…普通に業務をこなす
 Work…にこにこと笑顔で仕事をする
 Play…ワクワク感を持って仕事に取り組む
    雪かきを子どもに手伝わせるには、雪だるまを作ろう、と言う。
    三人の石切り工の昔話がある。彼らは何をしているのかと聞かれたとき、第一の男は、「これで暮らしを立てているのさ」と答えた。第二の男は、つちで打つ手を休めず、「国中でいちばん上手な石切りの仕事をしているのさ」と答えた。第三の男は、その目を輝かせ夢見心地で空を見あげながら「大寺院をつくっているのさ」と答えた。
・「フォア・ザ・パブリックの志」で少なくとも自分の仕事においては「脱お役所仕事」を貫いて欲しい。

質疑(約20分)
・山路さん自身がこういう活動を行うようになったきっかけは?
→三重県の行政経営に関する各種点数は今まで中庸であった。北川元知事のときに私も政策に携わったが、このとき点数を大幅に押し上げたので各方面から注目を集めた。その後、北川元知事から替わる時、また悪くなるだろうと言われたが、この時の改革は職員の意識を変えたのだということを内外に示したかった。それがスタート。
・活動に関する家族の支えはどうか?
→まず本業が優先。そして活動に関して朝早くから休日まで忙しくやっているので、まわりからは家のことをやっていないと思われがちだが、案外やっている。掃除、炊事、洗濯。家族からは活動に関しても理解されていると思う。
・住民のことを考える職員を増やすには?
→市町村ほどではないが、県にも住民に接する仕事はある。それでも不十分と言われることもある。地域のコミュニティを大事に。PTAなどに積極的に参加する。
・政策提言していく手法の例?
→オフ会を職場の研修会として開き首長(幹部)を招く。開催前からメーリングリスト等で課題に関して議論しておく。当日は首長の講演のあとグループ討議を行い、討議の経過や発表を首長にも聞いてもらうことで間接的に政策提言していく。


3 中西大輔さんによる講演「オフサイトミーティングで役所の活性化」(約20分)
・まず配布した資料「チーム力を高める職場づくり(月刊ガバナンス2009年7月号)」(2ページ分)を今から2分で読んでください。
・ここに書いてある「県庁改革第1期」が「チョウチョの会」のこと、「県庁改革第2期」が「県庁Σ(シグマ)塾」のこと、「インフォーマルグループの活躍」が「自治体職員有志の会」のこと。今日は「チョウチョの会」「県庁Σ塾」に関する県庁内部の活動を中心に紹介する。
・「チョウチョの会」のはじまりは、2004年7月に北川先生の講演で「北京の蝶々」の話を聞き、強く感銘を受け、意見交換会(オフサイトミーティング=OSM)を開催。この会を「チョウチョの会」と名付けた。
・「北京の蝶々」とは、「北京で一羽の蝶が羽ばたくと、ニューヨークでハリケーンが起きる」という複雑系の理論でよく語られる例えばなしで、蝶々のはばたきというごくわずかな気流の乱れが巨大な嵐を引き起こす。ミクロの“ゆらぎ”が予想をはるかに超えたマクロの変化をもたらすといった意味から、一人ひとりの小さな「気づき」から、大きな変革を起こすことができるというメッセージが込められた言葉。
・庁内での主な活動はオフサイトミーティング。概ね一ヶ月に一回を目途に、毎回ゲストスピーカーを招き、自治体や地域の様々な課題について、肩書きと立場を離れて自由に語り、聞き合う場を設け、一人ひとりの気づきを掘り起こす活動を続けている。現在、職員約4千人中約400人が参加した。
・オフサイトミーティングを通じて、組織対組織、立場対立場、「○○課としては、、、」、「○○長としては、、、」、「○○担当者としては、、、」、そういうものを外し、一人称の「私」が、「あなた」と、気楽にまじめな話をし、一緒に悩むことが大事。個対個の繋がりを作ることで、仕事の繋がりも強まり、職場の雰囲気・風土が変わり、全体としてよりよい仕事ができるようになる。
・その後、それまでの取り組みをより一層高めていくため、これまでの成果と課題を整理した結果、取り組みを「日常化」すること、全員で参加できるような「ひろがり」をもつこと、その成果が県民の皆さんにもわかるように「見える化」することがポイントであると考えた。そして、今後はこの取り組みを、県の行政改革方針にも掲げ、「県庁力最大化プロジェクト」と名付け、県庁全体の組織力の最大化を目指すこととした。
・県庁Σ塾。Σとは「総和」。人材力と組織力を最大限に高め、その総和で県庁力を最大化する意思を表す。Max(県庁力)=Max{Max(Σ人財力)+Max(Σ組織力)}
・主な活動は、「体当たり連続講座」と「Σプロジェクト」。「体当たり連続講座」は、各分野のトップ等を招いて対話しながら、本音で(一人称で)意見交換を行う。毎月一回。澤田塾長(元滋賀県副知事)との対談あり。「Σプロジェクト」は、一人ひとりの職員が当事者として参画し「小さな成功体験」を積み重ねられる取り組みを企画・実施する。例えば、効果的・効率的な内部協議資料・広報資料のサンプルづくりをテーマとした「資料グランプリ」や、滋賀県をPRしネットワークを広げるツールづくりとしての「名刺プロジェクト」など。

質疑(約20分)
・自治体職員の帰属意識が下がってきている。特に地域外から就職してきた職員(これを外様(とざま)職員と命名)はこれが顕著。どのように帰属意識を高めて行けばよいか?
→限界集落に入って、人と人との繋がりの深さに感動したが、集落の人にとっては当たり前のことだった。そういう地域との繋がりやNPOなどの活動団体との繋がりを少しずつ広げていくしかない。全職員の意識を変えるのは難しいが、100人中2人でもいいから信頼関係を築いていってほしい。
・現在本市では職場改善運動の募集を行っている。職員全体の背中を押すような、無理なく、長く続けることのできる運動の良い例はある?
→提案の内容も大事だが、提案後の取り組みがもっと大事。提案してもほとんどが消滅する。県庁Σ塾のように、幹部と一緒に悩み、実行していくことが必要。「名刺プロジェクト」の後、今まで簡単な名刺しか作成していなかった業者がデザイン性のあるものを作り出した。一つずつやっていくことで、ちょっとずつでも動いていく。
・県庁Σ塾の講演会。講師への謝礼はどうしている?
→謝礼は基本的になし。それでも来てくれる人を呼ぶ。ただし、懇親会のみただにしている。講師選定は基本的に職員からのネットワーク経由。
・最初に読んだ記事の最後に、「県庁力最大化の取り組みが、「点」から「線」へ、そして「面」へと拡大し、小さな改善の取り組みが大きなうねりとなって改革へとつながっていく」とあるが、「線」「面」となってきた段階で、全体としてのベクトルはどこを向くべきか。みんなそれぞれ違う方向を向いてしまうことはないか?
→いろいろな方向があると思う。そのためのオフサイトミーティング。一人称「私」という信頼関係を通じて、互いの想いを共有することが大事。


4 感想
・まさに伝説の自治体職員のお二方にお会いできて、パワーをもらうことができました。直接お会いするというのは、文章で知るのと違い、伝えようとする事柄の細かなニュアンスまで伝わってくるし、その人の人柄というものと合わさって、自分の中の理解度や納得度が格段に高まります。
・今回の講演内容は、そのひとつひとつの内容が深く、本来数十分で語れるものではないのでしょうが、いろいろな方向から気づきを与えてくれるものばかりでした。初めて聞いた内容もあり、とても有意義に学習させていただきました。これらの内容を、私もまわりにもっと伝えて、熱い想いをもった人財を増やしていきたいと思います。そう考えると、人づくりとは最大のハード事業とも言えますね。
・山路さんには、私が常日頃考えている「政策提言の手法」について質問させていただき、よい事例を紹介いただきました。私ども有志の活動でも、講演会やグループワークは行っているのですが、これを機会にもう少し発展させていきたいと思います。
・貴重な休暇を使い、県知事との調整、シンポジウム会場視察などお忙しい中、さらに座談会にもお越しいただいて、有難く思うとともにその積極的で柔軟な姿勢を見習いたいと思いました。中西さんとは懇親会でもお話させていただき、気さくで穏やかな人柄に、リーダーとしての姿を見た思いです。お二方とも日帰りということで、時間ぎりぎりまでお付き合いいただきありがとうございました。また、今回の座談会を企画・運営いただいた、茂田さん、門出さん、良い機会を提供いただきありがとうございました。

東広島市総務部契約課 篠原裕次郎 記




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